ブレインスポッティングとは
ブレインスポッティング(以下BSP)は、人と人の深い共感と同調を基盤とする新しい心理療法です。
特徴としては、視線の位置を使って脳の非言語領域に働きかけ、トラウマ記憶の心理的処理を
オートマティックに進めていくユニークな治療法です。
今や全世界で取り入れられており、日本には2014年に初めて導入されました。
実際には、ブレインスポットという目の位置を特定してクラスエントさんにずっと見ていてもらうと、
その出来事で凍りついていたような状態だった記憶が、脳の活性それ自体によってトラウマが処理され、
感情的な苦痛が無くなり、身体の症状も軽減したり消失したりするのです。
神経系は脳と身体両方に存在するので、身体で感じられていることのすべては、実際は脳で感じられています。
同様に脳の記憶や感情と視線の位置とは、大きな関連があるという神経生理学的な原理に基づいています。
目は、「心の窓」とか、「目は口ほどにものを言い」というたとえもある器官なので、
脳と身体、双方の反射が顕れる特別な場所と言えるでしょう。
BSPのトラウマ処理のメカニズムは研究中ではありますが、世界中で、そして日本でも、
苦痛や悩みの安全で速やかな解放が臨床的に認められています。
それだけでなく、BSPはパフォーマンス向上や創造性の開発など、非常に幅広い適応が期待できる方法です。
■■■ 私自身の体験 ■■■
BSP Phase2の研修終了の後、自分の根源的なトラウマが果たしてBSPでどう変化するか試してみたいと思い、私はBSPセラピストに個人セッションを依頼しました。
テーマに関する苦痛を感じる身体感覚の場所を意識しながら指示棒の先を見ていると涙が滝のように流れ落ち続けました。
そして、しばらくして全く自分の想定外の、説明のつかないことが脳の中で、つまり心の中で起き始めていることに気づきました。
最初は認知が追い付いていきませんでした。しばらくして、やっと意識化できるところまでたどり着いたように思いました。
今までずっと悪だと考えていた私の側面がなんと、叡智を携えた資源(リソース)に変容したのです。それは心の中の、それも最も深いレベルでの変容に思われました。そして決して、幻でも思い込みでもありませんでした。根底からの変化が生じたのでした。同様の変化は、もちろんクライエントさんにも生じます。しかも、解離障壁にさわらないため非常に安全な心理療法なのです。
■■■ 利用者様の声 ■■■
子どもの問題でカウンセリングをうけにきていたのですが、先生から私と夫の関係を扱うことが必要と言われました。私が夫の嫌いなところとそれを思った時の感情や身体の場所に気づきながら指示棒の先を見ていると、なぜか夫のさみしい気持ちがよくわかり、私は夫に感謝しているし、頼りにしていることも実感できました。これまでの長い間のこじれた感じがうそのようでした。同時に子供は、夫婦関係がより良くなるために問題を起こしていたんだということにも、ハッと気づきました。